元教師 黒目のブログ

元公立の教師で現在も子育ての世界で働いています。公教育、私教育合わせて約7年間仕事で子供を育てています。そんな中で役に立ちそうな知識や経験をアウトプットしていきたいと思います。

育児に積極的な男性の脳内ってどんな変化が起こっているの?父親の「親性」脳の活動について

みなさんこんにちは。
前回は家事と仕事との関係について扱い、改善まで提案しておらず、結果
「じゃあ母親は我慢するしかないの?そこに育児もはいってくるのに!」
と疑問を持たれたかもしれません。
そうではなくて、育児については、妊娠をしてから旦那さんが父親になるまで脳内で変化が起こり、どうしても時間がかかるものです。
なのでずっと我慢しないといけないというわけではなく、妊娠してから旦那が父親になるまで脳の変化を知り、その上で改善案を見つけていこう。
というのが今回の趣旨となります。

今回扱う論文は、


妊娠初期から発達する父親の「親性」脳の活動を確認―育児に対する父親の脳と心の発達には個人差がある―


です。この論文を要約してから、自分の考えについて述べていきます。

1.要約
まず前提として母親ひとりに対する育児負担過多( 孤立育児)を背景に、父親の育児参与が注目されています。
しかし、父親の親性脳が「いつから発達するのか」「どのくらいの個人差がみられるのか」という点はわかっていませんでした。
なので、この研究は今まで明らかになっていなかった、父親の親性脳について入り込んだ研究ということです。
この研究では初産妊娠初期妊娠週数20週未満)のパートナーを持つ父親と( 父親群)と子を持つ予定のない男性( 統制群)、各群36名計72名を対象に、その脳を比較することでどれだけの差があるかを調べました。ちなみにですがこの研究は2020年11月2日にオランダの国際学術誌「NeuroImage」にも掲載されているものなのでかなり信憑性が高いと思われます。

そして研究結果として

・生物学的男性である父親の親性脳の成熟は、妊娠期からゆっくりと発達が始まること、ただし、そこには大きな個人差が存在する。
・子どもを実際にもつ予定がある)かどうかにかかわらず、「親性」に関わる脳機能を男性が潜在的にもつことを示している。
・父親になる予定がある男性の親性脳の発達は、パートナーの妊娠中からすでに始まっている

その上で、

・パートナーが妊娠中の時期から、個々の女性、男性の脳と心、行動特性に合わせて、「両者の親性」発達を支援する取り組み
・パートナーとの円滑なコミュニケーションを外部からアシストする育児支援技術の開発など)の実装

などが重要であると述べられております。

 

2.感想
旦那さんが奥さんの育児負担を減らしてくれるかどうかは個人次第ということですね。
また、妊娠が発覚してから育児に参加しようと積極的に動いてくれなくても、それだけで「うちの旦那はこれから生まれてくる子供に無関心!」と結論付けてしまうのは早計で、父親になるまでに脳内が少しづつ変化していくので、少し待ってあげましょうということです。
ただ「お腹が大きくなってきても全然一緒に考えてくれない・・・」となると話は別で、妊娠中の時期から子供を支援する取り組みが重要なので、その点は提案してもいいかもしれません。

そしてこれは最悪の想定ですが、
逆を言えば、出産真近、また出産してからも一緒に育児のことを考えてくれない旦那さんの場合は、個人差があるものの、父親脳にならない可能性が今後も高いかもしれません・・・
そうならないために自分の人生や考えに合ったパートナーを選びたいものですね 笑
今回は以上となります。
ここまで閲覧ありがとうございました。

 

参考文献:

妊娠初期から発達する父親の「親性」脳の活動を確認―育児に対する父親の脳と心の発達には個人差がある―
https://www.kyoto-u.ac.jp/sites/default/files/2020-11/%E5%A6%8A%E5%A8%A0%E5%88%9D%E6%9C%9F%E3%81%8B%E3%82%89%E7%99%BA%E9%81%94%E3%81%99%E3%82%8B%E7%88%B6%E8%A6%AA%E3%81%AE%E3%80%8C%E8%A6%AA%E6%80%A7%E3%80%8D%E8%84%B3%E3%81%AE%E6%B4%BB%E5%8B%95%E3%82%92%E7%A2%BA%E8%AA%8D-b7582789279b2ea54d4925af5a1c5e42.pdf