元教師 黒目のブログ

元公立の教師で現在も子育ての世界で働いています。公教育、私教育合わせて約7年間仕事で子供を育てています。そんな中で役に立ちそうな知識や経験をアウトプットしていきたいと思います。

「学校でいいかな?」「それとも塾?」2021年に東京大学が明らかにした結果を元に親がすべき考えの指標を立てよう

どうもみなさんこんにちは。
先日このような論文を目にしました。

「学校と学習塾の関係」の特徴と課題 : 社会教育研究によって拓かれる新たな地平
https://repository.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/records/2000029#.YI-RmqFUuUk

この論文は2021年に東京大学で発表された論文なのですが、現在の学校と学習塾の特徴を分かりやすくまとめていますので、
「今から塾に通わせようかしら?」
「でも学校だけでもいいかも?」
と悩んでいる保護者の方への良い判断材料になるのではないかと思います。
題して・・・

 

「学校でいいかな?」「それとも塾?」2021年に東京大学が明らかにした結果を元に親がすべき考えの指標を立てよう

 

です。
いつものように、論文の要約&解説をしたあと、私の感想&考えを述べていきたいと思います。
ではどうぞ

 

1.要約&解説
この論文では、学校と塾の関係を取り上げ、今後どのような議論が可能になるかを論じるものなのですが、今回私が扱うのは、この論文の中での学校と塾の関係の特徴と課題のみです、
現在の学校と塾の関係の特徴としては、

・学校と学習塾は本来的な教育の在り方として違うとされていて、両者は対立的な関係として捉えられている。このような捉え方は公益を追求する学校が「責任」・「使命」・「大人としての応答責任」に基づくのに対して、私益を追求する学習塾が「サービス」・「営利」・「交換責任」に基づくとする議論に象徴されていた。
・「学校と学習塾」は、学校の存在なしには成り立たない学習塾の様子が、光なしには存在しえない影に似ていることから「光と影」のメタファーによって捉えられていることもある。

というように、学校は「責任」・「使命」・「大人としての応答責任」があり、塾は「サービス」・「営利」・「交換責任」があり、その上で学校があって次に塾があるという関係のようですね。
では現在の課題として、

・学習塾は「教育サービスの交換性」「営利性」「私事性」を批判されながらも,学校教育に急速に参入している。その結果,従来は「公共性」がその存立根拠であった学校に「私事性」を持つ学習塾が組み込まれ
ている。このような状況では,「公共性」を根拠に学校が学習塾よりも優れた場であると主張することが難しくなっている。
・学習塾が学校現場に浸透していく現実に,学校教育研究の従来の枠組みが追いついていないことを課題として指摘できるだろう。

というように、学習塾が学校教育に参入することにより、今まで明確に区別されていた壁がなくなってきているんじゃないか?というのが課題として挙げられるようですね。
ただ、これを課題というべきか、進歩というべきかはまた議論を呼ぶことかもしれませんが 笑

 

2.感想&考え
以上を踏まえたうえでじゃあ親としてどうすればいいかというと、親として求めているものがあるところに行くという結果でいいと思います。
学校では「責任」・「使命」・「大人としての応答責任」。
学習塾では「サービス」・「営利」・「交換責任」。
があるわけなので、子育ての責任感や使命感を持って自分の子供を育ててほしいと思うなら学校の教育にまかせればいいし、
営利目的があってもいいから自分が求めているサービスを受けたいのであれば学習塾に教育してもらうといいと思います。
一番ダメな選択として、学校に個別サービスを求めたり、塾に子供の将来の使命感や責任追及をすることはやってはいけないし、そもそもできないということですね。
これは私が公教育として働いていた時のことですが、
「もっと個別で子供のことを見てほしい。なんだったら学校しか行ってないんだから空いた時間に付きっ切りで教えてあげてほしい」
という親御さんを目にしたことがあります 笑
そういうことは
「いやいやいや、それは個別サービスになるのでできませんよお母さん」
ということになるので、求めているものと機関が違うということですね。

今だから言えることですが、当たり前のことを当たり前に言えるようになりたかったです 笑
以上で本投稿を終えます。

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ここまで閲覧ありがとうございました。


参考文献:
「学校と学習塾の関係」の特徴と課題 : 社会教育研究によって拓かれる新たな地平
https://repository.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/records/2000029#.YI-RmqFUuUk