元教師 黒目のブログ

元公立の教師で現在も子育ての世界で働いています。公教育、私教育合わせて約7年間仕事で子供を育てています。そんな中で役に立ちそうな知識や経験をアウトプットしていきたいと思います。

リビングで勉強っていいの?リビング学習での集中力について

どうもみなさんこんにちは
先日このような論文を目にしました。

リビング学習の適正な環境に関する研究−照明による環境設定の試み−
httpwww.ias.sci.waseda.ac.jpGraduationThesis2016_summary1w130549_s.pdf

なので、今回は集中できる学習環境の作り方について解説していきたいと思います。

1.要約
ではまず今回扱う研究の要約から
これは2010年の産経新聞の結果ですが、有名私立中学の合格者へ勉強場所を尋ねた調査なのですが、

リビング学習をしている合格者が自分の部屋で勉強をしていた合格者の人数を上回ったという結果が出た

そうです。
この結果により「リビングでの学習は学力に良い影響があるのでは?」という疑問が生まれたというわけですね。これを科学的に証明しようというわけです。
そしてまず着目されたのがリビングの照明効果についてです。
照明の色温度は大きく分けて二つに分類でき、色温度が低い(低色温度)と赤みや黄色みを帯びた光色となり、色温度が高い(高色温度)と青みや白身を帯びた光色となります。
色温度に対して暖かさを感じるので、リビングではリラックス感を感じたいため、低色温度に設定されがちですね。
また照明とは色温度だけで判断するわけではなく、照度が関係してきます。
これも有名なクルイトフの実験結果なのですが、色温度ほど照度は高いものが、低色温ほど照度は低いものが快適と感じられる

と示されています。なので、快適性の関係から色温度だけではなく、照度も学習環境に影響を与えているのではないか?と思われたようですね。
その結果どういうことが分かったかというと、

・集団環境の方が、被験者全員において個人差はあるもののCTRの値が高かった。これより、人がいるという環境であるリビング学習の有用性を確認できた。
・最も学習効果が高いのは、照度を適切に調整した高色温度の照明だと言え、照明を用いることで、同一空間内で団欒空間から学習空間への気持ちの移行ができることがわかった。

ということです。
この結果により、リビング学習の需要が高まっていますが、リビングの照明環境は適切でないとうことがわかったのですね 笑
照明は、高色温度・高照度のものが最も学習に対して効果が高いことは様々な研究でも明らかにされていることなので、おそらく科学的信憑性は高いと思われます。

 

2.感想
私個人としては、このような新聞の結果が科学的事実によってなぜそうなったのか、が明らかにされるのは見ていて面白いです 笑
今までなぜそのような結果になったのか?をはっきりと証明されると気持ちがいいものですね。
ただこの研究は被験者の数が5人と少ないので、多少誤差がでてくるとは思いますが、私自身の経験を元にしても、色温度・高照度によって学習への集中力に良い影響が与えているようにも思えます。
もし本投稿を閲覧している方の中に
「うちの子供は家で勉強するときなんでこんなに集中力がないのかしら?」
「他の場所だと集中できるのになんで家じゃできないの?」
という疑問が生まれている方には家で使っている照明から変えてみるのは科学的に正しいと思われます。
色温度・高照度の照明を用いたスポットライトを一つ置くだけでもひょっとすると変わってくるかもしれませんよ?
今回は以上となります。
ここまで閲覧ありがとうございました。


参考文献:
子供部屋、どう与える?声かけやすい“自立の空間に”. 産経新聞. 2010/2/23

A.A.Kruithof, Tubular Luminescence Lamps for General Illumination, Philips Technical Review6,1941 , P65-96.

リビング学習の適正な環境に関する研究−照明による環境設定の試み−
httpwww.ias.sci.waseda.ac.jpGraduationThesis2016_summary1w130549_s.pdf