元教師 黒目のブログ

元公立の教師で現在も子育ての世界で働いています。公教育、私教育合わせて約7年間仕事で子供を育てています。そんな中で役に立ちそうな知識や経験をアウトプットしていきたいと思います。

2121年1月に発表された「ギフテッドのOverexcitability特性と関連するADHD傾向,空想傾向,およびマインドワンダリング頻度の検討」の要約と感想

どうもみなさんこんにちは。
最近「ギフテッドのOverexcitability特性と関連するADHD傾向,空想傾向,およびマインドワンダリング頻度の検討」という論文が発表されたので、
その研究について要約した後、自分なりの意見を述べていこうと思います。

 

1.要約

まずこの研究におけるOverexcitability 特性(OE)とは、刺激に対する反応の激しさを特徴という意味です。
このまたOEは5つの表現型に分けられ
精神運動性 OE(激しい熱意や、顕著な競争心など)
感覚性 OE(感覚や芸術的な喜びや、感覚表現など)
想像性 OE(空想の遊びや、退屈への耐性の低さなど)
知性 OE(好奇心、集中力、知的な努力を要することへの持続など)
情動性 OE(激しい気分・感情、感情的影響の受けやすさなど)
とされます。要するに外からの刺激に対しての反応の違いが大きく分けて5つ存在するということです。ADHDとは注意欠如多動症、マインドワンダリングとは心理学用語で、「心がフラフラとさまよっている状態」を指します。なので、この研究では外からの刺激の激しさと、その刺激に対する反応について調べたということですね。
その結果

精神運動性OE,想像性OE,知性OE,情動性OE と ADHD-RSに正の相関が認められた。
また知性 OE の高群は低群と比較し ADHD高群となるオッズ比が11.25倍だった。

とされています。
ざっくり説明すると、
ADHDの特性を持っている場合、精神運動性OE,想像性OE,知性OE,情動性OEも高く、また逆もあり得る。
その中でも知性OEの高い人の方が,ADHD傾向の高い人が実に11.25倍多いということです。

 

2.感想

ここまで見て確かにADHDの子供を見てみると、じっとしていられなかったり、気分の浮き沈みで行動することが多いことに意識が向けられがちですが、その分知的好奇心がくすぐられることに関してはとてつもなく集中するし、好きな本を延々と読んでいる光景のことの方が多かったような感じがあります。なのでこの研究と私自身の経験とも一致することが多いですね。

今までなんとなくで接していましたが、このように科学的に明らかにしてみるとADHDの子に対してどのようにアプローチをすべきかが見えてきた気がします。
本投稿を閲覧している皆様の中にもしADHDのお子さんがいる場合は、日々の多動に目を向けられがちかもしれませんが、そんな時こそ「実はこの子は知的好奇心旺盛なんじゃないか?」と考え、是非子供の知的好奇心をくすぐるような接し方をしてはいかがでしょうか?
今回は以上となります。
ここまで閲覧ありがとうございました。

 

参考文献:
ギフテッドのOverexcitability特性と関連するADHD傾向,空想傾向,およびマインドワンダリング頻度の検討
file:///C:/Users/%E5%9D%82%E7%94%B0%E3%80%80~1/AppData/Local/Temp/hidaka_202101_2.pdf