どうもみなさんこんにちは黒目です。先日こんな論文を目にしました。
脳科学と障害のある子どもの教育に関する研究
https://www.nise.go.jp/kenshuka/josa/kankobutsu/pub_b/b-215/b-215_all.pdf
この論文であまり聞きなれない単語を耳にしました。それは「脳科学迷信」というワードです。
これは英国において教師の間における広汎で強い脳科学への関心、そしてその成果を利用したいという強い欲求が存在し、それに対応して多くの「脳科学に基づいた」と称する指導パッケージやプログラムが商業的に提供されている。そしてこれらの多くが、科学的な根拠が薄弱であるばかりでなく不適切なものもあるにも関わらず、教育現場であたかも確立された事実であるかのように受け入れられている現状に警告を発している。
というように、科学の結果を上手に扱えていない危険性が示唆されています。
私のこのブログも正しい根拠として科学的根拠を持って説明しています。また、商業化はしていないものの、科学者ではないので、もしかしたらその中にも「脳科学迷信」とされているかもよ?ということですね!笑(もちろんきちんと論文は読んだうえで引用していますよ!笑)
というように間違った情報は何なのかについて今回はまとめてみました。
本投稿でもし自分の持っている知識が間違っていた!という気づきがあれば幸いです。
では解説していきます。
1.要約&解説
まず一つ目の脳科学迷信の例として、
教師は個々の子どもが右脳型か左脳型かを同定し、授業において右脳優位の学習と左脳優位の学習をバランスさせて行うことが必要
というものです。よく言われているのは、右脳が「イメージ脳」、左脳が「言語脳」などと分類されていますね。それの何が問題かというと、
これは脳の左右半球の機能分担に関する文献の拡大解釈で科学的根拠が乏しい
と記述されています。要は引用元の研究結果が大げさに解釈されてしまい、実際の科学的根拠としては弱いそうです。
また、
Goswami は読みや計算に関わる脳機能がfMRI(機能的 MRI)等の脳機能画像学的研究で明らかにされつつあることから、これらの研究成果を教育に活用していける可能性が広がってきつつあることも述べている
というものです。今までの研究結果は子育てに活用できるレベルまで汎用性が広がっているよ!ということなのですが、これの何が問題なのでしょう?
Goswami が述べているように、近年の脳科学の進歩により障害児の教育においてもその成果を応用していける可能性が広がってきていることは事実である。しかしその際には、応用する基となる脳科学の成果がどの程度確立されたものなのか、すなわち、推論を多く含んでいないか、また研究報告によって結果が一致しないことがどの程度あるか、を十分に検討することが必要であると思われる。
また、近年の脳科学の成果の多くは遺伝子及び関連タンパクに関する分子生物学的研究や神経細胞の微細構造とその機能の画像化などであるが、これらの多くは動物を用いた研究による。動物で確立された事実であっても、特に学習等の脳の機能については、ただちに人に応用できるとは限らないことを十分に認識しておく必要があると考えられる。
と記述されています。なのでまだまだ研究結果が多くできないものは再現性は低いかもしれないし、動物で上手くいったからと言ってそれを人間に使えるかは限らないよ?ということですね。
2.感想&考え
近年では「脳科学で検証あり!〇〇効果による美容効果!」などの謳い文句を見ますが、そのような商業的なものほど、「科学的に証明されたって言ってるけどさ、それ引用文献何個あるの?」や「そもそも科学的根拠って言ってるけど、どの論文のどの文章を引用していってるの?」などの、数や質、さらに引用元の文献をしっかり自分で読んだうえで活用しないといけないということですね。
今回でより一層私も誇張表現がないように論文を細部まで読んで理解し、そして研究結果を自分の経験も基づき感想&考えを記述していきたいと思います。
本投稿は以上です。
最後に、無料のビジョントレーニングのリンクを貼っておくので是非お使いください。
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当ブログはあなたの子供の子育ての一助になれば幸いです。
ここまで閲覧ありがとうございました。
参考文献:
脳科学と障害のある子どもの教育に関する研究
https://www.nise.go.jp/kenshuka/josa/kankobutsu/pub_b/b-215/b-215_all.pdf